鹿児島県十島村(としまむら)の諏訪之瀬島(すわのせじま)で爆発的な噴火が増加し、噴火警戒レベルが上がったとの情報がありました。
現在どんな状況なのか、どういうところに気を付ければいいのか情報を整理して紹介していきたいと思います。
鹿児島県十島村の諏訪之瀬島の現在の状況
福岡管区気象台は3/5、鹿児島県十島村・諏訪之瀬島の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。3/1~3/5に爆発が25以上発生し、レベル3に上げる基準の一つ「5日間に25回以上の爆発」に該当したとのことです。噴火活動が活発化しているとして、御岳火口から約2キロ圏内で大きな噴石に警戒を呼びかけています。
爆発は3月1日が1回、2日4回、3日11回、4日7回。5日は午前7時までに2回観測し、3月5日午前6時20分ごろ、諏訪之瀬島の御岳で爆発的な噴火が起き、噴煙が火口から500メートルまで上がりました。
気象台によると、他にレベル上げの基準となる火山性微動や地殻変動で目立った変化はみられないとのことです。
同島の警戒レベルは2020年12月、初めて2から3に上がりました。2021年は2と3の間で上げ下げを繰り返し、2022年9月28日に3に上がった後、今年1月24日に再び2へ下がっていました。
政府危機管理センターに「情報連絡室」を設置
鹿児島県十島村の諏訪之瀬島の火山活動に関して、政府は3月5日午前6時40分、総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置し、情報収集と警戒にあたっています。
諏訪之瀬島とは
鹿児島県十島村の諏訪之瀬島は種子島や屋久島の南西にあり、トカラ列島のほぼ中央に位置する周囲27キロほどの火山島です。
十島村によると、今年1月末時点で、島には38世帯79人が住んでいます。
島のほぼ中央には標高799メートルの御岳があり、長期間にわたって噴火を繰り返しています。
住民はこの御岳から南に4キロほど離れた元浦港の周辺に暮らしています。
村役場は島から200キロ以上離れた鹿児島市にあり、週に2回、村が運営するフェリーが運航しています。
過去の噴火活動
気象庁によると、江戸時代の1813年に起きた大規模な噴火では、火砕流や流出した溶岩が海岸まで到達したことに加えて山体崩壊も起き、当時の島民は全員避難して70年後の1883年まで無人島になりました。
また、1884年の噴火でも溶岩流が海にまで達し、噴火活動は翌年まで続いたほか、1956年からは毎年噴火を繰り返しています。
火山噴火の覚えておくべき5つの特徴
1 火山灰は数百キロメートル先まで飛ぶことがある!
火山が噴火すると、噴石と呼ばれる石のほかに、細かい火山灰等が噴出され、数十、数百キロメートル以上も遠くまで飛ぶことがあります。降灰も発生し、周辺に住む人々の社会生活に深刻な影響をおよぼします。
2 日本の活火山の数は「111」もある!
2017年6月に、日本の活火山の数は111となりました。また、「火山防災のために監視観測体制の充実などが必要な山」とされた火山は、噴火警戒がとられている阿蘇山をはじめ、日本に50火山もあります。ますは身近にある活火山を知り、防災意識を高めましょう。
3 火山灰の被害は、飛行機や電子機器にも!
火山灰が飛行機のエンジンや電子機器の吸気口から吸いこまれると、内部に付着し、誤作動や故障を招くことがあります。降灰期間中、家庭では、ガス湯沸かし器やエアコン等、外気にさらされる電化製品は使用せず、火山灰が入らないように対策をとりましょう。
4 健康被害をもたらす火山灰!
火山灰は、呼吸器系への影響、目の症状、皮膚への刺激等、健康にも影響を与えます。鼻や喉の炎症、ぜんそく、目の異物感・かゆみ・充血・皮膚の痛み・腫れ等を防ぐためにも、事前にマスクやゴーグル、タオル、長袖・長ズボン等を身に付けるようにしましょう。
5 火山灰は水で溶けない!
火山灰は重く、水に溶けない性質があるため、処理が非常に難しいです。鹿児島県の桜島等では、自治体が火山灰用のごみ袋を用意し、定期的に収集が行われています。火山灰により排水管が詰まり、下水処理施設を痛めるおそれがあるため、排水溝や下水、雨水管に流さないようにしましょう。
まとめ
日本の国土は全世界のたった0.28%しかありません。しかし、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.0%が日本にあるため、自然災害が起こりやすい国です。
そのため、自分が住んでいる地域の特徴を確認したり、災害が発生した時の準備をしておくことが重要になります。常日頃から防災に対する意識を高く持ち、災害が発生した時に慌てずに行動ができるようにしましょう。
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